小規模宅地特例・相続のし方次第で8割引できない場合も

親と同居していた家の敷地を相続すれば「小規模宅地等の特例」により、相続税の申告時に土地の価額が8割引できます。

しかし一歩間違えば特例の要件から外れてしまい、税務署から連絡が来ることになりかねません。

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相続で揉めた場合は要注意

遺産の分割がスムーズにいかなかった場合、特例の要件から外れてしまう可能性があります。

「分割がスムーズにいかない」というのは言い換えれば相続で揉める場合のことです。

揉めることによって遺産分割がゆがんだものになってしまい、そのゆがみのせいで特例を使うための要件ら外れてしまうことがあるのです。

特例から外れる例

兄弟4人が親の遺産を相続するとします。
親と同居していた長男が、同居していた家の敷地を相続すれば特例の対象です。

ここで他の兄弟が待ったをかけたとします。

相続人が兄弟4人であれば、それぞれの相続分は1/4。
しかし遺産を均等に分けることができるとは限りません。遺産が 不動産のみであれば分けるのは難しくなります。

そこで自宅と敷地を売って、その代金をもって遺産分割したとします(換価分割と言います)。
この場合特例は使えません。土地は8割引の対象から外れてしまいます。また、相続税とは別に譲渡所得税がかかります。

特例の要件とは

特例の要件には次のようなものがあります。

①被相続人の居住用家屋に居住していた親族が取得
②申告までその宅地等を所有
③申告期限までその家屋に居住

わかりやすく言い換えると
①親の家に住んでいた長男がその敷地を相続し
②相続税の申告期限(亡くなってから10カ月)まで長男が持っていること
③相続税の申告期限まで長男が住んでいること

となります。

ですからお金に換えて分けてしまうと要件から外れます。
また、未分割のまま10カ月過ぎてしまうと①を満たさないので、特例を使わずに申告だけをしなければなりません(3年以内に分割すれば後で使える可能性あり)。

では、一旦長男が相続した上で特例を使って申告し、その後売却して分けたらどうでしょうか。この場合、長男には譲渡税、兄弟には贈与税が課されます。贈与税は相続税よりも高く、登録免許税や不動産取得税も相続より高くつきます。できれば避けたいところです。

早めの対策を

相続対策は早ければ早いほど選択肢が多く、効果も高いのです。
それほど財産がないと思っていても実は相続税がかかる場合も想定されます。
また莫大な遺産の相続よりも、遺産5000万円ぐらいの相続が一番もめるという統計もあります。
早めに専門家に相談するのが良いです。

 

◆◆あとがき◆◆

写真は松坂城跡。築城は蒲生氏郷。

松阪は大阪と同じく、昔は松坂と
つちへんの坂で表記していました。

今はこざとへんの阪です。