確定申告は4つのステップに分ければスッキリわかります

ややこしい確定申告の流れは
4つのステップ
に分けるとスッキリします。

確定申告関連の書籍には、所得税の計算の流れが載っています。
しかし、すべて漏れなく一つの図にしていることが多く、ややこしくて見る気にもなれないのではないでしょうか。

そこで、所得税の計算の流れについてザックリと説明してみました。
まずこれがわかれば、自分が今どこの作業をしているのかがわかります。
大まかな地図があれば迷路に迷い込むこともないでしょう。 

まずは4段階に分けて考える 

所得税の計算は大まかに4つの段階に分かれます。
それが下図。

①各種所得の金額の計算
②課税標準の計算
③課税所得金額の計算
④税額計算 

 しかしこれでは専門用語過ぎてさっぱり意味不明です。
そこで次のように言い換えてみました。

①各種所得の金額の計算 → 1年分の儲けの計算
②課税標準の計算 → 他の所得と合わせる
③課税所得金額の計算 → いろんな控除を差し引く
④税額計算 → 納める税金の計算 

市販の確定申告本を読むときも、上の流れを意識しておくとよいでしょう。
①〜④のうち、どの部分を説明しているかがわかっていれば混乱することもないかと思います。

実際の確定申告書では、①〜④を次のようなブロックで計算していきます。

スクリーンショット 2018 01 09 18 10 41

 ①1年分の儲けを計算

申告書の緑色の部分「収入金額」
そこから必要経費など、収入から差し引けるものを引いたものが、
申告書の青色の部分「所得金額」です。 

「収入から差し引けるもの」は所得の種類によって違ってきます。
所得には
「りはいふじきゅうたいさんじょういつざつ」
の10種類があります。
それぞれ
「利子、配当 、不動産、事業、給与、退職、山林、譲渡、一時、雑」
の頭文字をとったものです。

所得の種類により、何が差し引けるのかは異なっています。そのため所得別に記入欄が設けられているのです。
一見するとたくさんの欄があって圧倒されますが、ここがすべて埋まる人というのはまれでしょうから、自分の書くべきところ以外は空欄となります。

通常、この①の部分が一番時間がかかる部分です。事業所得の場合であれば、普段から経理処理をやっておかないと後々大変な思いをすることになります。

②他の所得と合わせる

①で計算したそれぞれの所得金額を、②の部分で合算します。
ここで「損益通算」や「損失の繰越控除」などを行います。損失がある場合は別途第四表に記入します。
通算や繰越控除の順序は細かく決められており、ここが確定申告本の解説を複雑にしている箇所でもあります。 
損益通算についてはこちらをご覧下さい。
確定申告でつまづきやすい損益通算についてカンタン解説 | 税理士向井栄一Official Site

 
 

③色んな控除を差し引く 

ここでは所得控除を行います。
雑損控除や医療費控除、寄付金控除などを計算します。配偶者控除や扶養控除、基礎控除などもここで差し引きます。 

④納める税金を計算する

③までで計算した数字に税率をかけて、いよいよ税額を計算します。
住宅ローン控除などは③ではなく、④で差し引きます。所得控除ではなく、「税額控除」だからです。
儲けから直接引くのが所得控除、税額から差し引くのが税額控除です。税額がダイレクトに減る、という点で税額控除の方がインパクトは大きく見えます。 

その他、配当控除や予定納税、あらかじめ源泉徴収された税額などを差し引き、納付すべき税金の額を計算します。

まとめ

所得税の申告書について、どこに何を書くかをおおまかに説明しました。
申告書の記入欄はすべてを埋めるべきものではありません。
まず大づかみに何を書くかをつかんでおくと頭が整理され、その後の作業が スムーズに進むと思います。

あとがき

ブログサイトをSSL化しました(http→https)。
自分でやると悪戦苦闘すると見聞きしていたのですが意外とすんなりいき、無事鍵マークがつきました(サーバーはロリポップ)。