農地の相続・農家基本台帳を必ず確認すべし

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農地を相続する場合は必ず農家基本台帳を確認しましょう。

市区町村の農業委員会にて発行してくれます。

 

耕作権割合を差し引くことができる

農地を小作人に貸し付けている場合、通常は耕作権という権利が発生します。

いったん小作人に耕作をお願いすると、所有者は小作人に”離作料”を支払わなければ自由に処分できません。

所有者には一定の縛りが発生する、ということです。

この縛りを小作人側の権利とみて、相続税評価額から差し引くことができるのです。

差し引ける割合は、純農地、中間農地であれば50%です(平成27年現在・都道府県によって異なることも)。

純農地、中間農地に該当するかどうかは国税庁の倍率表を見ればわかります。

 

ヤミ小作に注意

小作人と正式な契約をしていれば、農家基本台帳にその旨記載されます。

2ページ目の自・小作区別のらんに自作地・貸付地の区別が表示され、

耕作者のらんに氏名が記載されます。

ここが貸付地であれば耕作権の控除が可能です。

小作人と正式な契約がない場合、いわゆる”ヤミ小作”の場合は

農家基本台帳には自作地、所有者の氏名が記載されます。

この場合、いくら小作人に貸していようが耕作権は控除できませんので注意が必要です。

 

基盤強化法による小作に注意

耕作権を控除すると評価額は半分になりますから、判断をまちがえないようにしましょう。

さらにもう一点注意点があります。

”農業経営基盤強化促進法(基盤強化法)”に基づいた貸付けの場合は、同じ貸付けでも控除は5%です。

50%ではなく5%ですから大きく違います。

基盤強化法の貸付けは一般に貸付期間が数年の契約ですので、縛りが弱いわけです。

農家基本台帳を見ればこちらも基盤強化法の旨、記載があります。

必ず確認しましょう。

 

 

◆◆あとがき◆◆

今日、9日は父の月命日のため朝から墓参り。

毎月参っています。

その後事務所のPCがネットにつながらないトラブル。

なんやかんやでほぼ1日つぶれてしまいました。