相続人が兄弟姉妹だけの場合・かくれた相続人に注意

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戸籍の取得もれに注意

相続が起こった場合、被相続人(亡くなった人)の戸籍を取得する必要がある。

これは「法定相続人」をきっちり特定するためである。

そして戸籍は「被相続人の出生まで」さかのぼって取得するのが原則だ。
さかのぼる?
戸籍はひとつではないのか?
そう、戸籍はひとつではない。 

戸籍は改正される度に様式が変わる。今は横書きで見やすくなっているが、かつては縦書きであった。
そして様式が変わる度に、引き継がれる事項とそうでない事項がある。
そのため出生から死亡までの戸籍をすべて確認する。
そうでないと、すべての情報を集めることができないからだ(例えば認知、養子、廃除など)。

直近で戸籍の改正があったのは平成6年。
それ以前の古くなった戸籍は「改製原戸籍」と呼ばれることとなる(通称「はらこせき」)。
この「はらこせき」をさかのぼって取得しなければならない。 

さて相続人が配偶者や子のみであれば話は簡単で、「被相続人の出生まで」の戸籍を確認すればOKだ。

しかし、兄弟姉妹が相続人となる場合にはこれでは不十分なのである。 

かくれた相続人がいる可能性

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被相続人は独身で、配偶者も子もいないとする。
さらに両親がすでに死亡していた場合。
相続人は兄弟姉妹である。

さてこの場合、「被相続人の出生まで」の戸籍を確認すればOKだろうか? 

兄弟姉妹は親から生まれる

もし異母兄弟(半血兄弟姉妹)が存在する場合、これでは不十分である。

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これは被相続人の戸籍には出てこないのである。

通常であれば父の死亡時点で戸籍を取得すればすべて判明していたはずである。
何らかの事情でそれがされていなければ”見知らぬ兄弟”が突如現れるかも知れない。

兄弟姉妹は親から生まれる(当然だが)。よって親の戸籍までさかのぼる必要がある。
当然、被相続人の戸籍だけを見ても、この見知らぬ兄弟の情報は出てこない。

安易な判断は避けよう

このように、「被相続人の出生まで」という言葉のみで判断してしまうと、大きな間違いを犯す可能性がある。

この例は実際に友人の司法書士から聞いた話である。ある税理士が判定した相続人を見て、戸籍の取得もれに気づいたという話である(登記申請に親の戸籍が必要)。
現実的には、異母兄弟の存在は親の相続の時に判明しているかも知れない。
とはいえ、万が一を考えて万全に備えるのが専門家の仕事である。
確認を怠ったがために、相続人の判定を誤る危険性もはらんでいるのである。

私自身は相続人の判定に関しては一切司法書士に依頼している。やはり餅は餅屋で、任せるべきところはプロに任せるべきであると思う。

昨今一般の方がご自分で相続税の申告をされる例が増えているようだが、このあたり十分ご注意いただきたいと思う。