会社設立したら給料ゼロでも源泉税の支払義務がありますよ!

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源泉税の支払もれ・知らなかったでは済まされない

人も雇わず、家族にも給料を支払っていないひとりビジネスの”個人事業主”。
この場合
支払う給料から”源泉所得税”なるものを天引きして税務署に納付する”
という行為がない。 

ところが同じひとりビジネスでも、法人を設立した場合はこうはいかない。 
自分に対する役員報酬が発生する場合はもちろんだが、 そうでない場合でも源泉所得税を納めるべき場合があるのだ。
これを知らずに忘れたりすると、金額にもよるが不納付加算税+延滞税のペナルティが課される。

では、給料がないのに源泉所得税(=源泉税)を徴収(=天引き)すべき場合とはどのような場合だろうか?

法人は否応なく”源泉徴収義務者”なのである

源泉徴収制度とは簡単に言うと次のようなものだ。

「給料や報酬・料金等を支払う者は、その給与等から所得税を天引きして、翌月10日までに税務署に納めるべし!」

上記の通り、天引きすべき対象は給料だけではなく、”報酬や料金等”も含まれる。
報酬・料金にはたとえば税理士、弁護士、司法書士等への報酬がある。

会社設立で司法書士に報酬を支払ったとしよう。
設立した法人はその司法書士へ支払う報酬から所得税を天引きして、税務署に納めなければならないのである。

何をやっているかというと、
本来司法書士が自分で支払うべき所得税を、
法人が代わりに天引きし、
税務署に納付する。
司法書士には税金を差し引いた残りの金額を支払うのである。

個人は一定の場合、源泉徴収義務がない。
一方法人の場合は例外はなく、源泉税の対象となる支払いをすれば必ず天引き&納付しなければならない。

請求書に源泉税の記載がない場合に注意!

なぜか弁護士への支払の場合、これがよくあることなのだが・・・

請求書に源泉税の記載が無い場合がある。
つまり、差し引くべき源泉所得税を差し引かない満額で請求書が来る場合だ。 

この場合でももちろん源泉税を預かって支払う必要がある。
請求書に記載が無ければ先方に問い合わせて確認する必要がある。
これを怠ると・・・

税務署が調査に来た場合、多めに源泉税を取られる結果になる。

なぜかというと、源泉税を預からずに満額を払っても
”源泉税を預かっている”
という前提になってしまうのだ。

たとえば
報酬合計が10万円で、10.21%の源泉税を預かる必要がある場合、
89,790円を弁護士に支払い、
10,210円を税務署に納めることとなる 。

これを、
・弁護士からの請求書が10万円で
・源泉税の記載が無く
・あなたが弁護士に10万円丸々支払った
とする。

この場合源泉税は10,210円とはならない。
あなたが支払った10万円が”源泉税差し引き後の金額”と見なされるのである。

なぬ!?

すなわち、
報酬111,371円
源泉税11,371円
差引100,000円
となり、本来10万円でいいはずの出金が、111,371円に増えてしまうのだ。
うっかりすると損してしまうのである。 

ちなみにこういった計算はExcelのゴールシークを使うと簡単だ。
わかりやすい解説はこちら↓ 

  

・あなたが源泉徴収義務者で
・源泉徴収すべき士業からの請求書に源泉所得税が記載の無い場合
必ず相手先に確認しよう。

相手から徴収するか自分が被るかの二択だ。

届出と申請

まずは給料の支払いがなくても給与事務所の開設届を出しておくとよい。→国税庁のページ
これで税務署から番号入りの白地納付書が送られてくる。

さらに言うと、納期の特例の承認申請書も同時に出しておこう。→国税庁のページ 
本来ならば支払った翌月10日までに源泉税を納める必要があるが、納期の特例なら半期に一度で済む。
常時10人未満の給与や一定の報酬・料金なら7/10、1/20の2回にまとめて支払いができる。
(特例の対象にならないものもあるので注意。例えばホステスの報酬源泉税などは毎月支払う必要がある)  

まとめ

給与が無くても源泉税を支払うべき場合があるので注意しよう。
また、給与から預かっても士業からの預かりを忘れているケースがある。
士業の請求書に源泉税の記載が無かったら先方に問い合わせよう。
届出、申請書を出しておけばその後がスムーズになる。