正面・北の富士、向正面・舞の海の大相撲解説が面白い

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北の富士勝昭さん
illustration;Procreateapp,iPad Pro,Apple Pencil

元横綱・北の富士

昨日九州場所が終了し、2016年の全取り組みを終えた大相撲。

NHKの解説でお馴染み、第52代横綱・北の富士勝昭さんは千代の富士や八角理事長(元横綱・北勝海)の兄弟子でもあり、師匠でもあります。
現在は日本相撲協会を退職されていて、解説者が本職です。

TVかラジオかを選ぶ基準にも

その北の富士さんと、これまた名物解説者の舞の海さんとのコンビの解説が非常に面白いです。
そもそもお二人とも単独でも面白い解説をされるのですが、二人揃った時の絡みが絶妙です。

私は年6回の大相撲の場所中、仕事をしながらTVかラジオで大相撲中継を流しています。
TVにするかラジオにするか、また音量を上げるか絞るか、その選択は解説者が誰であるかによります。

つまり北の富士さんがTVの解説ならTV、ラジオの解説ならラジオを選びます。北の富士さんが出ていない日は舞の海さんで決めます。
二人とも出ていなければ、注目力士以外の取り組みは音量を絞ります。

歯に衣着せぬ北の富士節

北の富士さんの解説の何が面白いかといえば、やはり歯に衣着せぬホンネトーク。常にマイペースで、アナウンサーが話を振ってもなかなか答えてくれずに妙な間が空いたり・・・。ベテランアナウンサーならうまくいなすところ、若手の場合、慌てぶりが目に浮かびます。

以前の日経新聞のインタビュー記事によれば、
「ラジオの時は俺に話しかけるな、君は勉強中なんだから一人でしゃべって」
と若手のアナウンサーには言っているそうです。若手アナウンサーからしたら、「明日の解説、北の富士さんかよ〜・・・」と前日から気が重いことでしょう。

その日経の記事から
「オレは最後まで飲んべえでスケベで死ぬかと思ったけど・・・本当にスケベ度は落ちた」
英雄色を好む、ではないですがいまだ見た目もダンディで和服姿がとても粋です。

舞の海さんとの絡み

その北の富士さんとの掛け合いでいつもにやりとさせてくれるのが舞の海さん。新弟子検査の時に身長が規定に届かず、頭にシリコンを入れて臨んだというのは有名な逸話です。

舞の海さんの解説は、論理的でわかりやすいうえに声も聴き取りやすく、また人柄の良さがにじみ出ているので聴いていて心地良いですね。

二人の掛け合いが聴けるのが、
「正面の解説・北の富士、向(むこう)正面の解説・舞の海」
の組み合わせの時なのです。
2016年時点で北の富士さんは74歳、舞の海さんは48歳と親子ほど年が離れています。なので舞の海さんが北の富士さんにいじられる、というのが定型パターンなのですが、時には舞の海さんからいじられに行っているような節も・・・。

肝心の大相撲の内容の方は、残念ながら今年も日本人横綱誕生ならず、また来年1月の初場所にも綱取りを持ち越せず、またイチから出直しとなってしまいました。
しかし正代、石浦、輝、遠藤、宇良など、将来楽しみな若手も出てきたし、白鵬一強時代も終わりそうなので戦国時代の予感です。相撲、熱いです。初場所では是非北の富士&舞の海の解説を味わってみて下さい。

 

2017.1.23追記

北の富士さんは2016年末に心臓の手術をされ、初場所の解説を全休されました。千秋楽に電話出演され、お元気そうだったので大阪場所に期待しましょう。それにしても「稀勢の里を横綱にする会(会長;北の富士、副会長;舞の海、事務局長;藤井康生アナ)」の念願成就!